厚生労働省は、令和7年11月7日、「賃金の支払の確保等に関する法律施行規則」の一部改正に関する省令案について意見募集を開始しました。本改正は年内施行が予定されており、未払賃金立替払制度の請求手続の大幅な簡素化が図られます。
1.制度改正の概要
「未払賃金の立替払制度」は、企業倒産等により賃金が支払われないまま退職した労働者に対し、国が未払賃金の一部を立替払いする制度です。今回の改正では、以下の点が見直されます。
- 請求手続のオンライン化
- 請求時に必要とされていた添付書類の省略が可能に
- 労働基準監督署が交付する「確認通知書」等が不要となる予定
これにより、労働者の請求手続の負担軽減と、迅速な給付が期待されます。
2.企業に求められる対応と実務上のポイント
本改正は倒産時の労働者救済を目的とするものですが、企業にとっても以下の点が重要です。
- 賃金台帳・雇用契約書・出勤簿等の適切な管理・保存
- 万一の事態に備え、賃金支払状況を客観的に説明できる体制の整備
- 事業縮小や撤退時には、早期に社労士等専門家へ相談すること
3.社労士からのコメント
未払賃金立替払制度は「最終的なセーフティネット」であり、本来利用される事態が生じないことが最善です。
企業としては、日頃からの労務管理の適正化と、経営リスク発生時の早期対応が、結果として労使双方を守ることにつながります。
制度改正への対応や、万一の場合の実務対応について不安がある場合は、早めに社会保険労務士へご相談ください。
※社労士が手続きを代行する場合の留意点
社会保険労務士が、電子申請により未払賃金立替払請求を代行する場合には、
- 労働者との代行契約を締結していることを証明する電磁的記録
を、労働者健康安全機構へ送信することが必要となります。
