令和8年度 雇用保険料率は0.1%引下げへ

― 失業等給付の財政改善を反映 ―

 厚生労働省は令和7年12月19日労働政策審議会 職業安定分科会 雇用保険部会を開催し、令和8年度の雇用保険料率について、前年度から0.1%引き下げ、1.35%とする案を示しました。

雇用保険料率の法的根拠

 雇用保険料率は、雇用保険法第12条第4項に基づき、毎年度、保険財政の状況等を勘案して厚生労働大臣が告示で定めることとされています。

 その具体的な水準については、労働政策審議会の意見を聴いた上で決定される仕組みとなっており、今回の引下げ案も、この法定手続きを経て示されたものです。

令和8年度の雇用保険料率(案)

 令和8年度の雇用保険料率は、以下の構成となる見通しです。

全体の保険料率

  • 1.35(前年度 1.45%)

内訳

区分令和7年度令和8年度(案)
失業等給付0.7%0.6
育児休業給付0.4%0.4%(据置)
雇用保険二事業0.35%0.35%(据置)

 今回の引下げは、失業等給付の保険料率を0.1%引き下げることによるものです。

労使の負担割合

 雇用保険料は、給付の性質に応じて労使で負担割合が異なる点が特徴です。
 令和8年度(案)では、次の負担割合が見込まれています。

  • 労働者負担:0.5%
  • 事業主負担:0.85%

 なお、育児休業給付、雇用保険二事業(雇用安定事業・能力開発事業)については、財政状況を踏まえ、引下げは行わないとされています。

    引下げの背景:失業等給付の財政状況

     今回の保険料率引下げは、失業等給付に係る積立金が一定程度回復していることを背景としています。

     一方で、雇用保険二事業については近年の助成金支出の増加等により引下げを行う財政状況にないと判断されており、全体としては慎重な引下げにとどめられています。

    実務上の留意点(企業・人事担当者向け)

     令和8年4月分(通常は4月賃金から適用)以降、

    • 給与計算システムの保険料率設定の変更
    • 賃金台帳・控除額の確認
    • 社内資料・説明文書の更新

    が必要となります。

     告示改正後は、正式な保険料率と適用時期を必ず確認し、実務対応を進めることが重要です。